(11) クリープ試験、クリープ破断試験
概要
金属材料は、高温下で力が加わり続けると、組織変化、炭化物の粗大化および空孔や亀裂の発生などが生じ、徐々に塑性変形が進行することがあります。この現象をクリープといい、一般的に金属材料では3段階(遷移クリープ、定常クリープ、加速クリープ)を経て破断に至ります。高温で長時間運転される発電プラントや化学プラントなどで使用される材料では、このクリープが問題になります。そこで、試験片に高温の一定温度下で降伏点(耐力)未満の低い引張力を一定に加え続け、ひずみや破断時間を測定して材料特性を評価します。ひずみを測定する試験はクリープ試験と、ひずみを測定しない試験はクリープ破断試験と、それぞれ呼びます。ひずみを測定することで、ひずみ-時間線図(クリープ曲線)が得られます。このクリープ曲線は、その変形挙動をパラメータ化することで、クリープ破断寿命を予測することができます。
適用対象
- 金属材料全般
試験項目
- クリープ試験 :ひずみ-時間線図(クリープ曲線)、破断時間、破断伸び、破断絞り
- クリープ破断試験:破断時間、破断伸び、破断絞り
適用例
- 石油反応塔用耐熱鋼溶接金属のクリープ特性調査、寿命予測(550 ℃)
- 蒸気タービン用11 %Cr鋼のクリープ特性調査(650 ℃)
- 種々の熱処理(焼なまし条件)後の応力と破断時間の関係調査
- Ni基超合金鋼溶接金属の耐クリープ性能試験(750 ℃)
対応可能な試験仕様
- 単式試験機
- 最大試験力15 kおよび30 kN、試験温度範囲450~900 ℃
- 複式試験機
- 最大試験力30 kN、試験温度範囲300~900 ℃
- 試験片形状
- 丸棒試験片(直径6.0 mm、10.0 mmや13.0 mmなど)
- 板状試験片
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