(49) 材料評価例-4(XPS解析)

内容

○ステンレス鋼を炎で加熱すると、表面が多彩な色に変化します。この現象は、ステンレス鋼の表面に生成した酸化皮膜の干渉現象によるものであり、酸化皮膜の厚さによって色調が異なって見えます。ステンレス鋼表面の酸化皮膜はごく薄く、自然酸化膜(不動態膜)の場合、数nm程度です(1 nm = 1/1000000 mm)。
○このような極表面の変化を調査するには、深さ方向分解能に優れるXPS(X線光電子分光分析装置。ESCAとも呼ぶ)が最適なツールです。XPSを用いることで、酸化膜の厚さの他、酸化膜を構成する元素の濃度分布および化学結合状態の情報を得ることができます。


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