(44) 損傷調査例-2 (応力腐食割れ)
内容
○ミクロ破面観察に加えて、割れ断面の形態観察も損傷様式や損傷起点、損傷経路の特定に、有力な証拠を与えます。さらに、損傷面に腐食生成物などの付着物が残っている場合は、そのミクロ分析が腐食環境の推定に大いに役立ちます。
○この調査例では、応力腐食割れを起こした配管について紹介します。
図に示すように、溶接部近傍に生じている亀裂について破面観察を行うと、破面には粒界破面と擬へき開破面が混在して観察され、腐食割れの様相を示しています。亀裂部の断面観察を行うと、亀裂は応力腐食割れに特有の枝分かれした形状であり、また、亀裂は外面から内面に向かって伝播していることも分かります。配管付着物についてWDS分析を行うとClが検出されます。
○本調査で、「配管は、エルボ管と直管の溶接部に残留応力が加わっている状態で、Clを含む腐食環境下にさらされたために、割れが発生、伝播した(応力腐食割れ)」と判断できます。
そこで、対策として、「SUS304鋼よりも、耐食性がさらに良い材料を使用すること」などが提案されます。
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