(15) CTOD試験
概要
CTOD(Crack Tip Opening Displacement:き裂先端開口変位)試験は、欠陥が存在する構造物の破壊靭性を評価する試験の一つです。き裂を有する試験片を所定の温度に保持し曲げ外力を加えていくと、き裂が急速に進展する現象「不安定破壊」が起こります。不安定破壊による急速なき裂の進展が起こるまでに、初期に導入されていた鋭いき裂が鈍化するのですが、この鈍化による初期き裂先端の開口変位量(不安定破壊直前のき裂先端開口変位量)が材料靭性の尺度(CTOD値)として用いられます。試験方法の規定としては、WES 1108、WES 1109、BS 7448、ASTM E1290があります。
適用対象
- 炭素鋼、低合金鋼、高張力鋼、低温用鋼などの溶接部(溶接金属および溶接熱影響部)
試験項目
- CTOD値
適用例
- 低温用鋼溶接金属、高張力鋼溶接金属のCTOD値測定
- 9%Ni鋼溶接金属および9%Ni鋼のCTOD値測定
保有機器の主な仕様
- 200 kN疲労試験機(疲労予亀裂導入用)
- 500 kN万能試験機(CTOD試験用)
- 試験温度
- -196 ℃、-110 ℃~室温
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