(63) 接合研究例-13
(スカラップ肉盛補強による柱梁接合部の耐震性向上)*)

内容

○鉄骨の柱-梁接合部では、スカラップによって耐震性が大きく低下することが従来より知られています。これを改善するにはノンスカラップ工法を採用するのが最良ですが、現地建方では、開先溶接の関係から下フランジ側をノンスカラップ化することは困難です。そこで、スカラップ工法でもノンスカラップ工法と同等の耐震性を有する現地施工法について検討を行いました。
○その結果、スカラップ底に適切な肉盛溶接施工を施すことで、耐震性が大幅に向上することを見出しました。そのメカニズムは、肉盛による剛性の向上、スカラップ底の応力集中低減などによると考えられます。そして、既に開発した上向姿勢・2パス溶接によるバッキングレス溶接法を組合わせることで、さらに耐震性が向上することを把握しました。
○本研究は、(株)神戸製鋼所 溶接事業部門 技術センター 溶接開発部および信州大学との共同研究です。

従来工法と開発工法

柱梁接合部の変形能力

[柱梁接合部の変形能力]


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

肉盛溶接部の外観・断面マクロ写真

[肉盛溶接部の外観・断面マクロ写真]


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

肉盛脚長と耐震性の関係

[肉盛脚長と耐震性の関係]


*) 鈴木、菅、河西、中込:溶接学会論文集、32-2(2014)、73-82.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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