(20) 走査型電子顕微鏡(SEM、FE-SEM)観察
概要
走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;略してSEM)は、細く絞った電子線を試料に照射、走査し、二次電子や反射電子を検出してその強度をモニター上に映像として表示することによって対象物の拡大像などを得る装置です。像質が落ちるため高倍率観察には向きませんが、低真空モードを使い、難電導性試料の無蒸着観察も可能です。
適用対象
- 金属材料全般
- セラミックス、繊維(蒸着処理必要)
観察項目
- 5~300,000倍での表面観察(凹凸が激しい試料でも鮮明な像が得られる)
- 附属装置のエネルギー分散型X線分析装置(EDS)による元素分析(B~U)(半定量分析で大まかな成分系も分かる)
- 微小領域の元素同定(定性分析・半定量分析)
適用例
- 浸炭層の組織評価事例
- 広域のEBSD解析事例
- SEM-ECCI法による転位観察事例
- FE-SEMによるAl-Cuレーザ溶接部の金属間化合物微細組織の評価事例
- 機械構造物の破損調査で、破面を観察することによる破壊様式や破損原因の調査
- EDS分析による、金属種や構成成分の確認分析
- SEM観察中の、特定部位や物質の微小領域での元素同定
保有機器の主な仕様
- SEM
- 加速電圧;0.3~30 kV
- 観察倍率;5~300 000倍
- 分解能;3 nm
- EDS
- 分析元素;Be~U
- FE-SEM
- 加速電圧;0.5kV~ 30kV
- 観察倍率;20~500 000倍
- 分解能;1.5 nm(30kV)
- EDS分析元素;Be~U
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