(2) 昇温式水素分析
概要
鋼や溶接金属は、拡散性水素や残留水素を含んでいます。鋼の溶接の世界では、室温付近の温度で移動できる水素を拡散性水素と呼んでおり、移動できない水素を残留水素と呼んでいます。昇温式水素分析は、一定速度で加温しながら試験片内のガスを抽出し、質量分析計で計測することによって、種々の機構で残留している水素を温度の関数として分離・測定する方法です。なお、質量分析装置の測定分子量を変えることによって、水素以外のガスについても測定が可能です。
適用対象
- 金属材料全般
分析項目
- 一定温度保持中における時間と放出水素量の関係
- 設定した速度で昇温中の温度と放出水素量の関係
適用例
- 炭素鋼、特殊鋼溶接金属の水素(拡散性、残留)測定
- 鋼材、線材や金属製品の水素(拡散性、残留)測定
- 水素以外にもの窒素、酸素、水分、アルゴンなどの分析
保有機器と主な仕様
- 最大試験片サイズ
- 12 mm 厚×25 mm 幅×40 mm 高さ
- 最高加熱温度
- 800 ℃
- 質量分析装置の測定範囲
- 分子量2~200 まで
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